プロフィール

中川隆 Takashi Nakagawa 木管楽器を中心に、製造・販売、修理依頼を承っております。


歴史的木管楽器(Historical Woodwinds)を製作しています。
18世紀以前に製作された古い楽器を元に楽器を製作し、
当時の製作家たちが残してくれた楽器のすばらしさを広めたいと思っております。
お気軽にお問い合わせください。
中川隆

楽器の展示・出品

・おぐに古楽音楽祭
・栃木[蔵の街]音楽祭
・都留音楽祭
・浜松古楽フェスタ
・古楽コンクール<山梨>


参加イベント

ギタルラ社東京古典楽器センターにて無料クリニック
(ギタルラ社URL:http://www.guitarra.co.jp/

公開シンポジウム<フルートのストラディバリたち>
~18世紀の名工&ルイ・ロット、そして現代の名工~
2009年12月12日(土) 自由学園明日館
有田正広氏、杉原広一氏らと共にパネラーとして参加


メディア

楽器のしくみ
(緒方英子著 日本実業出版社 ISBN4-534-04025-3)
「リコ-ダー」・「フルート」の項目で楽器や材料・工具などの写真が掲載される。
(42,148-151,153頁)

古楽情報誌アントレに広告掲載


その他

楽器店より依頼の修理、これまでに数百件

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製品・価格表

バロックフルート

G.H.シェラー

G.H.シェラー ¥180,000〜(税込)

a'=415Hz 銀製キー・コーカスウッド材

(オリジナルは総象牙 a'=417Hz)

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J.A.クローネ

J.A.クローネ ¥180,000〜(税込)

a'=415Hz 人工象牙製マウント・キャップ・銀製キー・ヨーロッパツゲ材


換え管 各¥30,000(税込)
マウント・キャップを天然象牙にした場合 プラス¥50,000(税込)

(オリジナルはツゲ材 象牙製マウント・キャップ、真鍮製キー a'=410/415/420Hz)

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ハードケース

ハードケース ¥10,000(税込)

縦14.5cm×横27cm×厚4.7cm(金具の突起部分を含む)

(換え管付きの楽器用ケースもご用意できます)



リコーダー

ステインズビーSr

ステインズビーSr(シニア) ¥180,000〜(税込)

アルト a'=415Hz ヨーロッパツゲ材

(オリジナルはツゲ材 a'=405.5Hz)

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ステインズビーJr

ステインズビーJr(ジュニア) ¥130,000〜(税込)

ソプラノ(6度フルート D管) a'=415Hz グレナディラ材

(オリジナルは彫刻入り象牙製 a'=422Hz)

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J.C.デナー

J.C.デナー ¥120,000〜(税込)

ソプラニーノ a'=415Hz ヨーロッパツゲ材

(オリジナルは象牙製 a'≒415Hz)

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マウスピース

マウスピース

コルネット用マウスピース ¥9,000~(税込)

(左から)模様入り特注エボナイト製/オランダ水牛角製/黒水牛角製/真鍮製/リムリング

(カップの形状・リム厚・スロートの長さ・バックボアのテーパ・
材質など細かいご注文に応じます。)

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コルネット練習用リムリング(写真右端) ¥4,000(税込)

ABS樹脂製




ツゲはヨーロッパ産のツゲを使用
象牙は美しい模様入りの人工象牙を使用
各モデルとも可能な範囲でご注文に応じさせていただきます。

例えば・・・
材質 < 黒檀・グレナディラ・コーカスウッド >
運指 < イギリス式・バロック式 >
指穴のタイプ < シングルホール・ダブルホール >
象牙の有無 など

価格は予告なく変更することがあります。
気軽にお問い合わせください。

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製品解説

バロックフルート

シェラー

 G.H.シェラーはドイツの製作家で、生まれはフランクフルトの近くブツバッハです。象牙のフルートを数多く製作しました。かのフリードリッヒ大王もシェラーの楽器を所有していました(現在はベルリンの楽器博物館所蔵)。ドイツの製作家ですが、パリのノース(Naust)工房の影響が強く見られます。
 製作のもとにしているのは有田正広氏所有の楽器です。かつてはフランス=ブリュッヘン氏が所有し、J.S.バッハ「フルートソナタ全集」の録音に使用しました。歌口が極端に小さく、演奏が難しいフルートです。しかし、一度ポイントをつかむと柔軟にこちらの要求にこたえてくれます。線は決して太くありませんがしっかりとした鳴りがあります。つややかで美しい音色がします。特殊な形で巨大なアンダーカットが特徴です(トーマ=ロットのアンダーカットも大きいが形が異なる)。この楽器に付けられているキーは彫刻が施されており、金メッキをした真鍮製のものです。大きさやデザインから見てシェラーの作とは考えられません。シェラーの楽器にふさわしいデザインを木管楽器製作家、杉原広一氏に考えていただき、それをもとに製作したキーを使用しております。

クローネ

 J.A.クローネはドイツ、ライプツィッヒの製作家です。1727~1804年と長生きをした人で、記録によると1766年に父親の工房を受け継いでいます。製作のもとにしているオリジナルはベルリンの楽器博物館所蔵のものです。象牙のついたツゲの楽器で、左手管が三本(410/415/420Hz)あります。設計の特徴から判断すると、第三・四半世紀に製作されたものと考えられます。トラヴェルソでは難しいとされている、第3オクターヴのFも容易に出すことができます。歌口のアンダーカットが特徴的です(長手方向にひじょうに大きい)。計測値はジャン=フランソワ=ボーダン氏によるものを使用しております。また、木管楽器製作家、木下邦人氏が現地で計測・撮影した資料を参考にさせていただいております。この楽器の右手管にだけ刻印がなく、また、ジョイントのふくらみのデザインが他の管と異なることから、この管だけは後に他のメーカーが作った可能性があります。デザインを全体で統一するため、この部分のみ他のクローネの寸法を参考に製作しております。

リコーダー

ステインズビーSr(シニア)

 トーマス=ステインズビーはロンドンの木管楽器製作家で、名工と呼ぶにふさわしいすばらしい楽器を製作しました。息子も同じ名前なので父(Sr)と子(Jr)という具合に区別しています。オリジナルはフランス=ブリュッヘン氏所有のもので、計測者はフレデリック=モーガンです。その図面によると、製作されたのは1700年頃で、ピッチは405.5Hzです。415Hzにするために管長や内径を縮めて製作しております。象牙の装飾はありませんが、美しい虎斑(縞模様)のあるツゲ材の楽器です。まだCDの無かった1970年代に、この楽器を使用して録音されたLPレコード、ヘンデル「木管のためのソナタ全集」(フランス=ブリュッヘン)を聴き、この楽器のすばらしさを知りました。

ステインズビーJr(ジュニア)

 バロック時代もっとも一般的だったリコーダーはF管のアルトで、それを基準にして、それより6度高いD管のリコーダーを「6度フルート(sixth flute)」と呼びました。リコーダーなのになぜフルートかというと、当時はリコーダーのことを「フルート」と呼んでいたからです。
 オリジナルの材質は象牙で、全体に美しい彫刻が施されています。この楽器はレオンハルト/アーノンクールの「バッハ カンタータ全集」カンタータ103番で使用されています。大人数のオーケストラや合唱の中でも埋もれることなく美しい響きを放っています。
 こちらもフランス=ブリュッヘン氏所有の楽器で、計測はモーガン氏によるものを使用しています。

J.C.デナー

 デナーというと息子のヤコブ=デナーが有名ですが、このオリジナルは父親のヨハン=クリストフ=デナーの製作したものです。総象牙の楽器で、ジョイントは1カ所(つまり2本継ぎ)です。スイス、バーゼルの古楽器博物館に所蔵されています。甘くつやがあって、力強さも兼ね備えたすばらしい音色の楽器です。図面はリコーダー製作家平尾重治氏がバーゼルで計測されたものを使っております。

マウスピース

コルネット用マウスピース

 リコーダー奏者でありコルネット奏者である濱田芳通氏のお宅へ、試作したミュートコルネットを見ていただくためにお邪魔したのがきっかけで、以後マウスピースを製作するようになりました。いろいろな材質で製作をおこなった結果、総合的に見て水牛の角がベストと考えております。ご希望により、真鍮、象牙、ABS樹脂、エボナイトなどでもお作りします。マウスピースにはスタンダードと呼べるものはなく、演奏者によって全く好みが異なる性質のものです。細かいお好みに対応させていただきますので、どうぞお問い合わせください。また演奏中の自分の唇の形を鏡で観察するための「リムリング」もございます。ぜひご利用ください。

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(有田氏・木下氏・杉原氏・濱田氏・平尾氏・ボーダン氏・故モーガン氏に感謝します。)

使用している材料について(すべて厳選したものを使用しております。)

■ 木材

・ツゲ… 伐採後10年以上乾燥さたヨーロッパ産の本ツゲです。(カステロ・ザパテロ・マラカイボボックスウッド・レモンボックスウッドなどは使用しておりません。)ツゲ材は光沢が美しく、また黒檀のように重すぎず管楽器に適した材料ですが、変形が起こりやすいという欠点を持っています。当工房では、試行錯誤の結果得た方法により角材の段階でアマニ油を十分に内部へしみこませ、その後十分に乾燥させてから製作しております。これにより、反りや管の楕円化を防ぐことができます。
・黒檀… 緻密で上質のガボン産の黒檀です。
・コーカスウッド… こんにち入手が困難とされている、木目の美しい木材で、19世紀にはフルートの材料として人気がありました。
・レッドシーダー材… リコーダーのブロック用に最適な材質です。

■ 人工象牙

見た目には本象牙と区別の付かないほど模様も光沢も美しいもので、特注品です。

■ キー

もっとも硫化しにくいとされている含有量92.5%銀(スターリングシルバー)でお作りしています。

■ 角(つの)材

すべて割れにくい「芯持ち」(神経が中心にある)材料を使用しています。

■ 象牙

専門業者から買い付けた正規品です。総象牙の楽器をご希望なお方はご相談下さい。

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お問い合わせ

ご依頼から納品までの流れ

1 下記「お問い合わせ先」のtel/faxまたはe-mailのいずれかに
ご希望のモデルをご連絡ください。

2 こちらから折り返しご連絡差し上げます。
材質やオプション等の詳細をご案内いたします。

3 場合によって一度打ち合わせを行います。
 モデルによっては実物をご覧頂くことも可能です。

4 ご依頼内容が確定し次第、製作期間に入ります。

5 注文状況によっては納品までお時間を要する場合がございます。
予めご了承ください。

※作業場見学も可能ですのでお気軽にいらしてください。

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〒332-0032 埼玉県川口市中青木2-7-13

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